※かがやきパソコンスクールが発行しているメールマガジンのバックナンバーです。

(かがやき ニュース(No.210) 2006/11/24より)
今回は、「なぜ聴覚障害者に対応したパソコンスクールで起業したのか(1)」と題して、起業に至った考え方や背景についてご紹介したいと思います。少々長くなりますので、今回の話題は3回に分けてお届けいたします。
私が聴覚障害者に対応したパソコンスクールを作ろうと決意したのは、5年前の2001年8月。ちょうど私の誕生日の朝でした。
そこで決意するまでの背景などを交えて、当時聴覚障害者が置かれていた環境などもご紹介したいと思います。
私は当時「NTTコミュニケーションズ」という会社に勤めておりました。それ以前はNTTも一社体制だったので元々は同じ会社です。一社体制の時も通じて、幸い情報の集まる本社で長く働かせていただいていました。採用自体も「障害者枠」といったものではなく、一般の人たちと一緒の採用だったからかも知れませんが、いずれにせよ幸運に恵まれたのだと思います。
私にとってのNTTは、社員を大切にしスキルアップの支援を惜しまない素晴らしい企業でした。お蔭様で個人では到底受けられないような高級な(?)研修などにも何度も参加させていただいていました。お蔭様で、おそらく私自身の独学だけでは到底身につかないだろうと思われるスキルも身につけてくることができたかと思っております。そんな訳で、退職後もNTTには感謝しています。
そうした研修を受けさせていただきながらも、私自身やはり困るのが「講師の話が聞こえない」ということでした。何しろ、聞こえない。どうやっても聞こえない。従いまして、研修の場で貰えるテキストを頼りに他の参加者のノートなどを「ちら」っと覗き見ながら情報を得ていくのが精一杯といったところでした。
特にIT関係の研修や、ネットワーク・システム関係の研修では言葉がわからないし、英文や固有名詞などにはふりがながふっていないと読み方すらわからない状態です。会社には悪いとは思いながら、実際にその研修期間に必要なカリキュラムを全部消化できなかったのは事実で、研修期間内に見ることのできたキーワードをたよりに自分で勉強をしたというのが本当のところです。
そうした環境の中、巷では森首相が推進したITブームも一般にまで広がり、緊急雇用対策と連動した地域でのIT講習会なども頻繁に開かれていました。
話は逸れますが、緊急雇用対策とIT講習会の関連といえば、当時の失業者に研修を施してITサポーターとして臨時に雇用するというスタイルだったからだと記憶しています。
つまりは、国を挙げてパソコンやインターネットを庶民にまで広げようと活動をしていた時代です。ADSLなども回線数がどんどんと伸びていった頃でした。
そんな時にふと思ったのは、私と同様に「聞こえない人がIT講習会に参加した場合にどうするのだろう」といった疑問でした。しかしながら、それまで難聴と言えば自分自身と家族・親戚くらいしか例を知らず、聞こえない人たちとの交流がなかった私には、乏しい経験の中からいくつか仮説を立てて考えてみるしかなかったのです。
私自身は子供の頃からの難聴でしたが、身体が弱く全寮制の養護学校に入った一時期を除けば、普通の学校で学び、一般の企業に就職してきたので恥ずかしながら「ろう学校」がどういうものなのかさえ、よく知らなかった状態でした。
こうした幅の狭い中から立てた仮説とその検証を通じてわかったことが、今の私自身の事業を始める動機になっているのですが、詳細については次回にご紹介したいと思います。
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