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要約筆記の個人派遣を利用(後編) 

手話と字幕で放映|かがやき手話ニュース

葛飾区の障害者福祉サービスである、「要約筆記者派遣」制度を利用して、娘の学校の保護者会に参加してきました。

14:35に小学校の裏門前に集合。
2人の女性要約筆記者と合流。
軽く挨拶を交わし、要約筆記用の用紙(普通のコピー用紙)とペンを要約筆記者に渡します。
要約筆記の女性達は、家庭ではお母さんというだけあって、2人ともスリッパ持参という周到さ。
私はスリッパまでは気が回らず、校内を素足で歩くハメになりました。(^。^;)

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最初は4~6年生の保護者は体育館で校長先生の話を聞き、その後各学年ごとに分かれて別室で学年主任や担任の先生の話などを聞き、学校活動に協力する役員などを決める段取りとなっていました。

まずは体育館に入り、整然と並べられた椅子に座ります。場所は自由だそうでしたので、最前列に陣取りました。
私を真ん中にして、要約筆記者は両隣に座ります。

校長先生とは1.5mくらいの目と鼻の先なので、口形を読めないこともなかったのですが、せっかくなので要約筆記者が次々と書き出す文字を追うことにしました。

後ろのほうの人達から見れば、校長先生のお話を熱心にメモしている保護者のように映ったことでしょう。

2人の要約筆記者のおかげで、校長先生の顔を見なくても内容がわかりました。

ということは、内容だけなら何も参加しなくたって、その場に要約筆記者が居れば、インターネットを使って校長先生の話を配信するだけでもいいのかな、なんて思ってしまいました。
ま、それじゃ臨場感まではわからりませんし、話しているほうも味気ないかもしれませんけどね。

校長先生の話の内容ここでは置いておいて、体育館でのスケジュールがひととおり終わったあとで5年生の保護者は家庭科室に移動することに。

その際に、ご自身の目前でせっせとメモをしている2人の女性に興味をもたれたのか、校長先生が要約筆記者と話しをしていました。
きっと熱心な保護者にも見えたし、それにしては様子が違うなとも思われたことでしょう。

私の娘の担任でもある5年生の学年主任の先生が、あとから来て校長先生に説明していました。

(事前に報告してなかったのかなぁ。)

私は5年生の保護者として要約筆記者の2人を連れ立って、他のお母さん方とともに家庭科室に行きました。

ここでも最前列の席を陣取り、私を挟んで2人の要約筆記者が座りました。

出席した保護者は、学校側が予想していた人数をはるかに越え、他の教室から椅子を持ってくるほどの盛況ぶりでした。しかも皆、女性ばっかり。(^。^;)

ところで、お母さんばかりの保護者会に、ただ一人居る男性というだけで特別な目で見られるところ、女性2人を従えてせっせとメモを取らせている私の姿はどう映ったことでしょう。

恐らくその場では、完全な異邦人でしょうね。

どこかの成金社長が偉そうに女性社員を連れてきたのか、あるいは地元の名士、あるいはなんか変わった趣味を持った人でも紛れ込んできたのかなど、勝手に想像していたことと思います。

とにかく「変な人」であったことは、間違いなさそうです。

家庭科室では、学年主任から第二次性徴期の特徴や反抗期における家庭での対応などの話があり、それはそれで要約筆記者の走らせるペン先を追いながら、かつて自分自身が少年時代であったころと重ねあわせながらながら、聞く(読む)ことができました。

その後、保護者の中から1年間(ものによっては2年間)の役員を決める時間となりました。

今まで役員をされていた人たちなのでしょうか、お母さん方が4人ばかり前に出て、学校行事などに協力する役員の担当名と、それぞれに簡単に内容を説明していました。

私は結婚したのが遅かったので、こういう保護者会のようなところにくると、皆一回りくらい年下のお母さんばかりです。(皆さんきれいで、目を楽しませてくれましたわ。)

さて、ほとんどが立候補で決まってしまうという驚きの場面もありましたが、最後に皆、どうしても尻ごみしてしまう役目がありました。

2年後に予定している学校の創立記念の行事を、学校側とともに計画から実行までやっていくというもの。

前に立った役員さんたちが、しきりに立候補を促しますが、誰も手を挙げません。

そのうち、以下の条件を満たす人は手を挙げてくださいということになりました。

①他の学年で、役員をやって居ない人。
 →ウチは一人っ子なので、該当しますね。
②今まで、〇〇委員(何かの連絡委員)以外の役をやったこと無い人
 →家内に聞いて来なかったので、わかりません。(^。^;)

恐らく、いずれの条件も当てはまってしまうだろうと思い、私はその場で手を挙げました。

役員さん曰く、「今、手を挙げている人の中で、やっていただける人はいませんか?」

こjなると、唯一男性で出席している私に視線が集まります。
しかも、最後まで残った大きな行事を仕切っていくという役目。

そこで、ようやく私も質問をしました。

「私としても協力をして差し上げたいのは山々なのですが、人の話が聞こえないので、このように音声を聞いて文字に変えてくれる人たちにお願いして今日の保護者会に参加しているような状態です。ただ、こうした人達は、そうしょっちゅうお願いするわけにもいきません。実際にこれから活動を行うとなると、聞こえないことで皆さんにご迷惑をおかけしてしまうかも知れませんが、それでもよろしかったら協力をさせていただきたいと思っています。いかがでしょうか。」

この質問で、一気に場内は凍りついてしまいました。
前に立って進行役を担っていたお母さんたちも、硬直したようにしばし動かず沈黙。

今までは、女性を二人も従えて、とにかく変な人に見えていたのに、実は聞こえない人だったとわかったからか、あるいは聞こえない人といきなり出会ってしまって、どう対処してよいのかが思いつかなかったのでしょうか。

しばしの沈黙の後、進行役のお母さんの一人が、「先生、どうしましょう。」と、部屋の隅ほうで見守っていた学年主任の男先生に助けを求めめるように投げました。

男先生は、聞こえなくても出来る仕事もあるし、周囲の人達とのコミュニケーションも工夫しながら出来ることもあるでしょうといった旨をお母さんたちに話していました。

お母さんたちは、それを聞いたところで、どうして良いかわからなかったのでしょうね。
ちょっと考えた様子でしたが、話題はそこで変わってしまいました。

あれれ・・・無視を決め込まれてしまった。(^。^;)

ま、こんな状況の保護者会でした。

最後に、今回要約筆記を頼んで保護者会に参加して分かった点を、3点ばかりあげておきたいと思います。

①要約筆記は、安易に利用してはならない。

→要約筆記サービスを受けることは、すなわち市民の血税により施しをうけることですから、納税者が納得する場面や内容であるのかどうかを、よくよく考えたほうが良いということです。ただ話が聞きたいといった自分の都合だけで安易に利用することは、厳に謹んでいきたいと思っています。
私の周囲にも「利用が無いと予算を削られてしまう」といった理由で利用を勧める人も居ますが、それはそのまま年度末にこぞって道路工事をする役所の悪いところを真似るようで、私にとってはあまり感心できるものではありません。

②情報保障が、即、社会参加を果たす武器になるというわけではない。

→要約筆記によって、確かに会議の内容はわかりました。しかしながら、保護者の方々と継続して活動をしていくには、要約筆記を常時頼むわけにもいかないので、やっぱり「聞こえない人」として参加せざるを得ないわけです。その後に周囲の人達と理解しあいながら共同作業をしていくには、自分から周囲の役に立ち、認めてもらうしかないでしょう。
自分の努力をさておいて、安易に便利な制度やツールに頼ってしまっては、自立などは遠いものになってしまいそうです。

③分かり合いたければ、分かって欲しい側から努力する

→保護者会のように、「聞こえない人」と言ったとたんに場が凍りつくというのは、普通の人のごく普通の反応でしょう。
普段聞こえない人とのつきあいの無い人達ですから、どう対応してよいのかがわからないのも、当然なことだと思います。
ですから、周りを責めてはいけません。
また、そうした時に、周囲に対して配慮などを求めるのは、もっとあつかましい話のように思えます。
保護者会の中では、話は打ち切られてしまいましたが、私から工夫しながら他のお母さんたちに歩み寄り、皆さんの役に立って始めて保護者会という社会参加の切符を手にすることが出来るものと思います。
自分の側の都合を主張するばかりでは、いつまでたっても周りは受け入れてくれないことでしょう。
本気で自立を目指すのなら、目指す自分から工夫と努力を重ねていくことが必要だと思います。

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[2007/04/13 13:39] 聴覚障害 | TB(0) | CM(6)

結末やいかに

北九州に来ていて、おかげでこんな時間からブログを見ることが出来ました。
こちらは、今、夕立のような雨が降ってます。
お父さんしてますね。役員さんには、なれたのでしょうか。
(ブログを拝見する限り、お忙しそうで時間的に厳しそうな気もするのですが。)
[2007/04/13 17:48] 斎藤 幹雄 [ 編集 ]

斎藤 幹雄さま、いらっしゃいませ。

おお!
いつも東奔西走、ご苦労様です。
北九州は、雨なんだ・・・

>役員さんには、なれたのでしょうか。

いや、それも後日談があってねぇ。
翌日の夜に、現役員さんから家内に電話があったわけですよ。
その際に、引き受けてくれないかという内容ではあったのですが・・・

家内:「私は勤めをしているので、日中に動けるのは主人しかいませんが、よろしいでしょうか?」

役員:「・・・・・・(絶句)」

家内:「主人は、やっても良いといっていますが。」

役員:「また、電話します。」

だそうです。
(⌒▽⌒)アハハ!

私が入ると、困るらしいですね。
困るという人達のところに割り込んでいかなければならないほどのことではないので、とりあえず静観しています。

お久しぶりです

今日、ベビーの健診で初めて要約筆記の方についてきてもらってとても助かりました。私の市では要約筆記の派遣に予算がついたのに利用者がいないので、次回も是非と言われました。学校行事や保育園の方にも行きますよと言われたのですが、益田さんが経験なさったことを踏まえるとなかなか難しいですね。
学校の役員はまだあたっていませんが、これからどうかなと思っています。
町内の役員が来年度に控えていて、今は義母を頼りにしていますが(旦那は不在がちなので頼れないのが現実)いつまでも義母が元気でいてくれるとは限らないのですものね。
私が一歩踏み出す勇気が必要なのですね。

[2007/04/13 21:30] えみ [ 編集 ]

役員

こんにちは!石井です。

これは興味深く、考えさせられるレポートでした。
しかも臨場感がありましたね。
かなり目立っていらっしゃったようすがよくわかります(笑)。

ところで、うちも娘が小学校に上がったので、妻が役員決めのことで大騒ぎしているところでした(^_^;)

えみさま、いらっしゃいませ。

いつもお世話になっております。

>私の市では要約筆記の派遣に予算がついたのに利用者がいないので、次回も是非と言われました。

あはは、やっぱりそうなんですか。
予算があるから使ってね、というのものねぇ。

>私が一歩踏み出す勇気が必要なのですね。

一緒に頑張りましょう。(^^)V

「パチンコ社長がおくるサービスの心とマネジメントの知恵」の石井さま、いらっしゃいませ。

いつもお世話になっております。

>かなり目立っていらっしゃったようすがよくわかります

ありがとうございます。
確かに、すごく目立っていたと思います。

>妻が役員決めのことで大騒ぎしているところでした

あはは!
でも、私としては、なるべくなら、学校行事に参加したほうが良いと思っています。
出ていかないと、入る情報も、みすみす逃してしまいますからね。

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