【かがやきの思い入れ】<第29話> なぜ聴覚障害者に対応したパソコンスクールで起業したのか3 

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(かがやき ニュース(No.211) 2006/12/08より)

今回は、「なぜ聴覚障害者に対応したパソコンスクールで起業したのか(3)」と題して、約1年かけてリサーチをして得られた結果をご紹介したいと思います。
 
私が第2の仮説として「聞こえない人たちの中には、安心してスキルアップをする場所を望んでいる人は多い」として、実際にインターネットと面談によるアンケート調査を行ったお話は前回ご紹介いたしました。このアンケートの結果で得られたことは、やはり仮説は正しかったのだといったことです。
 
回答総数は約200件で、インターネット上で収集した回答が約150件。そうした環境から、既にインターネットが使える人が多く回答してくださったという状況ですから、まったくの初心者という人は少ないようです。アンケートの狙いとしては「全くの初心者」ではなく、ある程度パソコンやインターネットを使い、さらにスキルアップをしたい人の意見を聞くことでしたから、その点では成功したものと思っております。
 
回答の内容として最も多かったのが、「仕事で役立つ高いスキルを身につけたい」といったものでした。さらに身に着けていきたい具体的なスキルとしては、WordやExcel・ccessなどのオフィス系ソフトに人気がありました。仕事で役立つスキルといった場合には妥当な結果だといえます。
 
また、プログラミングやネットワーク技術については意外に人気が無かったのですが、これは「そもそもどういうものか」というものが理解できていないことが原因にあると分析しています。情報の伝わり方が遅い聴覚障害者ならではのことかも知れませんが、身近に見えるものではないだけに「知らない」といった人が多かったものと分析しております。さらに言えば、回答者の約70%が無職または一時雇用といった属性があったのも興味がありました。
 
そこでスクールの方向性としては、第一段階として「まずは下働きでもいいから企業にもぐりこめるスキルを身に着けること」に力を入れ、第二段階として「職場で中心的な仕事のできるスキルを身に着けること」に取り組み、第三段階として「職場でリーダーとして活躍できるスキルを身に着けること」に取り組んでいこうというグランドデザインが出来上がったわけです。
 
パソコンやインターネットのリテラシといったスキルだけではなく、就労をきっかけとした社会参加を果たし、自立した生活を送れるようトータルな人材育成をする場としてスクールをスタートさせたわけです。
 
振り返ってこの5年間は、1年目・2年目は第一段階に取り組み、3年目は第2段階、4年目からは第3段階に入っております。
 
1年目にかがやきパソコンスクールで学習され企業に就職を果たした人たちが、現在は職場のリーダーとして活躍できるようビジネススキルを学びにスクールへ通っています。現在も「結果の出せるスクール」として、聴覚障害者のみならず肢体などの身体障害者や視覚障害者や言語障害者などにも支持をいただいております。
 
「その人の人生にかかわった以上、途中で投げ出さずに最後まで面倒を見る」といった気持ちで、人生をトータルで応援し続け実績を積みながら、私たちはさらに工夫と努力をし続けて参ります。
 
短いながら3回にわたり、私が起業に至った経緯などをご紹介させていただきました。もっとご紹介したいことも沢山ありますが、それらは時期を見てご紹介していきたいと思います。
 
次回は、「やればできる!やったらできた!」と題して、ろう重複障害を持つ45歳男性が生まれて初めての資格試験に挑戦し成功した事例についてご紹介したいと思います。


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[2008/10/30 10:52] かがやきの思い入れ | TB(0) | CM(0)

【かがやきの思い入れ】<第28話> なぜ聴覚障害者に対応したパソコンスクールで起業したのか2 

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(かがやき ニュース(No.210) 2006/12/01より)

今回は、「なぜ聴覚障害者に対応したパソコンスクールで起業したのか(2)」と題して、起業に至った考え方や背景についてご紹介したいと思います。
 
前回ご紹介した「仮説」とは、聴覚障害者には社会に出てから安心して勉強できる場所は無いのではないか?といったものが、第一の仮説のおおよそのことでした。
 
実際にインターネットなどで検索しても、聞こえなくても安心して勉強のできる場所というのは皆無に近く、自治体などが散発的にカルチャースクール的な催しを開いているくらいでした。さらに自治体などが開催しているものの中身を調べてみると、その運営スタッフのほとんどが地元のボランティアさんたちが手探りで行っているという状況でした。
 
これはこれで、その当時としては素晴らしい取り組みだとは思いますが、なにしろ散発的で毎回手伝う人も一定しないのですから、サービスの品質から言って一般の健常者が勉強できる環境には程遠い状態でした。
 
とりわけパソコンについていえば、入門者向けのものばかりでしたので、その先の高度なスキルを身につけて社会で活躍しようと言う人を直接支援するようなものは見つかりませんでした。場合によっては、そうしたものは望まれていないのかとも思いましたが、自己の成長をさせ社会で活躍したいと思う人もいるはずだと思い、第2の仮説を「聞こえない人たちの中には、安心してスキルアップをする場所を望んでいる人は多い」として、約1年かけてインターネットとリアル(実際の現場)でのリサーチを行ったわけです。
 
その結果は、次回にご紹介したいと思います。


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[2008/10/23 10:49] かがやきの思い入れ | TB(0) | CM(0)

【かがやきの思い入れ】<第27話> なぜ聴覚障害者に対応したパソコンスクールで起業したのか 

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(かがやき ニュース(No.210) 2006/11/24より)

今回は、「なぜ聴覚障害者に対応したパソコンスクールで起業したのか(1)」と題して、起業に至った考え方や背景についてご紹介したいと思います。少々長くなりますので、今回の話題は3回に分けてお届けいたします。
 
私が聴覚障害者に対応したパソコンスクールを作ろうと決意したのは、5年前の2001年8月。ちょうど私の誕生日の朝でした。
 
そこで決意するまでの背景などを交えて、当時聴覚障害者が置かれていた環境などもご紹介したいと思います。
 
私は当時「NTTコミュニケーションズ」という会社に勤めておりました。それ以前はNTTも一社体制だったので元々は同じ会社です。一社体制の時も通じて、幸い情報の集まる本社で長く働かせていただいていました。採用自体も「障害者枠」といったものではなく、一般の人たちと一緒の採用だったからかも知れませんが、いずれにせよ幸運に恵まれたのだと思います。
 
私にとってのNTTは、社員を大切にしスキルアップの支援を惜しまない素晴らしい企業でした。お蔭様で個人では到底受けられないような高級な(?)研修などにも何度も参加させていただいていました。お蔭様で、おそらく私自身の独学だけでは到底身につかないだろうと思われるスキルも身につけてくることができたかと思っております。そんな訳で、退職後もNTTには感謝しています。
 
そうした研修を受けさせていただきながらも、私自身やはり困るのが「講師の話が聞こえない」ということでした。何しろ、聞こえない。どうやっても聞こえない。従いまして、研修の場で貰えるテキストを頼りに他の参加者のノートなどを「ちら」っと覗き見ながら情報を得ていくのが精一杯といったところでした。
 
特にIT関係の研修や、ネットワーク・システム関係の研修では言葉がわからないし、英文や固有名詞などにはふりがながふっていないと読み方すらわからない状態です。会社には悪いとは思いながら、実際にその研修期間に必要なカリキュラムを全部消化できなかったのは事実で、研修期間内に見ることのできたキーワードをたよりに自分で勉強をしたというのが本当のところです。
 
そうした環境の中、巷では森首相が推進したITブームも一般にまで広がり、緊急雇用対策と連動した地域でのIT講習会なども頻繁に開かれていました。
 
話は逸れますが、緊急雇用対策とIT講習会の関連といえば、当時の失業者に研修を施してITサポーターとして臨時に雇用するというスタイルだったからだと記憶しています。
 
つまりは、国を挙げてパソコンやインターネットを庶民にまで広げようと活動をしていた時代です。ADSLなども回線数がどんどんと伸びていった頃でした。
 
そんな時にふと思ったのは、私と同様に「聞こえない人がIT講習会に参加した場合にどうするのだろう」といった疑問でした。しかしながら、それまで難聴と言えば自分自身と家族・親戚くらいしか例を知らず、聞こえない人たちとの交流がなかった私には、乏しい経験の中からいくつか仮説を立てて考えてみるしかなかったのです。
 
私自身は子供の頃からの難聴でしたが、身体が弱く全寮制の養護学校に入った一時期を除けば、普通の学校で学び、一般の企業に就職してきたので恥ずかしながら「ろう学校」がどういうものなのかさえ、よく知らなかった状態でした。
 
こうした幅の狭い中から立てた仮説とその検証を通じてわかったことが、今の私自身の事業を始める動機になっているのですが、詳細については次回にご紹介したいと思います。


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[2008/10/16 10:44] かがやきの思い入れ | TB(0) | CM(0)

【かがやきの思い入れ】<第26話> 地域で行われている聴覚障害者向けのIT講習会に思うこと 

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(かがやき ニュース(No.209) 2006/11/17より)

今回は、「地域で行われている聴覚障害者向けのIT講習会に思うこと」についてご紹介したいと思います。
 
身体障害者向けのIT講習会が、ここ2~3年くらいの間に全国で行われるようになってきました。しかしながら、言葉で直接コミュニケーションをとることが困難な聴覚障害者向けのものは、まだまだ少ないようです。少ないながらも開催されている一般的と呼ばれる方式と、私たちの講習の仕方の違いについて紹介します。
 
まず聴覚障害者は、音声での説明をされてもわからないというのが前提になります。そこで必要となってくるのが「手話」や「要約筆記」と呼ばれるリアルタイムな文字での通訳です。聴覚障害者といってもその大半は「手話」を知らないことから、この要約筆記がたよりになります。
 
こうして聴覚障害者に対し音声の代わりに内容を伝える手段を「情報保障」と呼んでいますが、これが一般的な方法ですと無視できないコストがかかってきます。一般的といわれる通常の講習会では講師1名にサブ講師1~2名、手話通訳者2~3名、要約筆記者3~4名といった感じで、情報を伝えるためだけに大人数の支援者が必要になってしまいます。それぞれ特殊技能を持った人たちですから、時給もそれなりにかかってしまいます。そうした理由からも、なかなか聴覚障害者向けのIT講習会が開きにくいという声も聴いています。
 
一方、かがやきパソコンスクールでの講習会は、1名の講師が音声と同時に手話を使い、パソコンで音声を次々に文字に変えていく要約筆記が1名といった2名編成が標準になります。どのIT講習会でも参加者はだいたい10名くらいのものですから、一人当たりの予算は限られていることでしょう。講師や要約筆記の能力を高めることによって、そうした情報保障にかかるコストを抑えられるように工夫をしています。同じ内容でしたら、安いほうが助かりますものね。
 
さて次回は、「なぜ聴覚障害者に対応したパソコンスクールで起業したのか」と題して、起業に至った考え方や背景についてご紹介したいと思います。


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[2008/10/09 10:41] かがやきの思い入れ | TB(0) | CM(0)

【かがやきの思い入れ】<第25話>スクールに通う聴覚障害者は「なぜ事務職を希望するのか」 

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(かがやき ニュース(No.208) 2006/11/10より)

今回は、スクールで実施したアンケート結果から、かがやきパソコンスクールに通う聴覚障害者は「なぜ事務職を希望するのか」についてご紹介したいと思います。
 
=かがやきパソコンスクールに通うお客さまに聞いてみました。=
「なぜ事務職を希望するのか」。
 
この問いに関する細かい回答状況などは省きますが、それらの回答結果から1つの仮説が浮かびました。その仮説とは「もしかすると、事務職は製造業よりも格好良く見えるのでは?」でした。
 
この仮説を元に、何人かに面談を行ってみるとほとんどの人が「ものづくりや作業着を着ている人は下に見える」という回答。ほとんどが同じような答えをしていたところにびっくりしましたが、誰が一体こうした偏見とも思える風潮を作ってしまったのでしょうか。
 
元々聴覚障害者(とりわけ「ろう」と呼ばれる人)は、「見える」ものだけに反応し、見えるものから学んで成長しています。また、聞えなくても出来る仕事としては昔から「ものづくり」といった技術的な仕事に就く人が多く、製造業や印刷業、歯科技工士や理容師などがその代表格になっています。
 
ところが近年障害者の雇用推進が進むにつれ、大企業などが積極的に採用しはじめると、今までにはあまりなかった「オフィスワーク」というものが入ってきます。見える姿としては「作業着」を着て何か作業をしている人よりも「背広」を着てオフィス街を歩いている姿のほうが新鮮に見えたのでしょうか。

表面上「見えるもの」だけで仕事のよしあしを決めてしまうあたり、まさに「情報不足」を感じていますが、聞えない人に一番向かないと思われる仕事の代表格である「事務職」に人気があるのは皮肉なものだと思っております。
 
次回は、地域で行われている聴覚障害者向けのIT講習会に思うことについて、ご紹介したいと思います。


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[2008/10/04 10:41] かがやきの思い入れ | TB(0) | CM(0)